除菌の効果

 もう、言葉は不要です。皆さんの眼でご確認ください。いかにピロリ菌感染で胃粘膜がダメージを受けているか。上段が除菌前、下段が除菌1年後です。上下がそれぞれ同じ部位に相当します。

除菌をすることで胃炎が改善し、赤みが消失しているのがよくわかります。それにしても除菌前の写真は、みているだけでが痛くなりそうですね。

健診でヘリコバクターピロリ抗体を測定された方も多いと思います。このピロリ菌自体はありふれた存在で、自然の水を摂取することで感染するといわれています。以前は感染率が高かったのですが、上水道が整備されるに従い低くなっております(60歳以上では80%、10歳台では10%前後)。免疫が未成熟な乳幼児期に感染し、胃・十二指腸潰瘍や胃癌、悪性リンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病等と密接な関連性があることで知られています。除菌療法が確立されたことでこれらの治療も大変進歩いたしました。ピロリ菌を指摘された方は、早めの除菌をお勧めいたします。なお、除菌された後の再感染は心配されなくても結構です。完成された免疫を有する成人では、菌を摂取したとしても感染が成立しにくいからです。令和の時代においては、そもそも菌と相まみえる機会自体少ないでしょうしね。