緊張が続くと体の不調を自覚することがありませんか?人はストレスをうけると、無意識のうちにそれを受け流すことでメンタルを保っているのですが、ストレスの大きさや頻度によってはさばききれないこともあります。そういったさばききれないストレスの積み重ねが、無言のSOSサインとして体の特定の部位に現れてくることがあります。たとえば不眠や、頭痛、呼吸苦やふさぎ込み、消化器では胃痛や下痢便秘がよくみられる症状です。そしてこの排便に異常をきたしている状態が過敏性腸症候群です。
過敏性腸症候群は先進国に多いとされ、日本人の10%が当てはまるとの報告もあります。腸のはたらきは脳からつながる神経と密接に関わっていて(脳腸相関といいます)、この脳腸相関の異常が過敏性腸症候群の発症に関わっているのは間違いないでしょう。ストレスの原因は多岐にわたり、精神的な緊張のみならず睡眠時間や飲酒、食事、腸内細菌叢の偏りや免疫異常などの肉体的不調も関与しています。

最近腸内フローラ(腸内細菌のことです)の研究が進んでいます。といいますのも、腸内フローラのバランスが崩れることで、糖尿病やメタボ、自閉症、炎症性腸疾患、各種アレルギーなど様々な疾患が引き起こされているのではないかと考えられているからです。過敏性腸症候群についても腸内フローラの改善で症状が改善する症例が認められており、重症の方の中には腸内環境の改善を求めて、糞便移植(Fecal Microbiota Transplantation: FMT)治療を受けられる方もおられます。

腸内フローラは検便の要領で手軽に調べることが出来ますので、過敏性腸症候群でお悩みの方は調べてみるのもいいかもしれません。特に中高生は大腸検査のハードルが高いので、まずはこの検査をお受けいただき、腸内環境を調べてみるのもいいかと思います。

ちなみに腸内細菌はダイエットにも関係していると言われていますので、体重が気になる方も腸内環境をみてみるのもいいかもしれません。当院でも腸内フローラ検査キット(2社4種類あります)を導入しておりますので、お気軽にご相談ください。手軽に調べるキットと詳細に調べるキットがございます。
