よくあるお問合せについて
ピロリ菌は免疫応答の未熟な幼少時に感染するため、免疫力の強い成人の感染は稀とされています。除菌後の再感染の報告も少ないながら認められますが、上下水道の完備された環境で生活されているのであれば過度に心配されることはないと思います。
除菌療法の主な目的に胃癌の抑制があります。ピロリ菌を除菌しても胃癌細胞は死滅しませんから、万が一除菌前に癌細胞が発生してしまった場合、いずれ大きく発育してくるとお考えいただいて結構です。癌が一定の大きさに育つのには5~8年はかかるいわれていますので、除菌後5年ぐらいは定期的な観察をお勧めいたします。
ピロリ菌の関与しない疾患、例えばピロリ菌陰性の胃癌、胃粘膜下腫瘍、薬剤性潰瘍、逆流性食道炎、バレット腺癌、食道癌など多々ありますので、定期的なチェックはお勧めしますし、症状がある場合は検査をお受けください。
バレット食道は、食道下部の粘膜が、胃から連続して同じ円柱上皮に置き換えられている状態をいいます(食道は扁平上皮)。胃酸の逆流が関与しており、食の欧米化で今後増える可能性があります。腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)を含んでいる場合が多く、発がんのリスクが指摘されています。程度の差はありますが定期的な観察をお勧めします。
便潜血検査は2回陰性であれば大丈夫ということではなく、1回でも指摘された場合は精密検査の対象となります。便潜血検査は精度のばらつきが生じるため、陰性であるからといって必ずしも安全とは言い切れませんので、陽性の方には大腸検査をお勧めしております。
検査の頻度は難しいですね。大腸は曲がりくねって死角もできますし、蠕動運動や便の残りで見えずらいこともあるのが実情です。昨年何もなかったよと言われて来院した方でも新たに見つかることは時々経験いたします。私はこれまでの経験に基づき、ポリープを切除した方は出来ればもう1回お受けいただくようにお勧めしております。無かった方は便潜血検査でよろしいかとぞんじます。
それは、逆流性食道炎の可能性があります。夜間睡眠中は胃から咽頭まで水平となるため、胃酸があがってきているのかもしれません。お悩みの方はご相談ください。